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2007年にカンヌ国際映画祭で新人賞にあたるカメラ・ドールを受賞した作品。シーラ・ゲフェンの脚本を共同で監督した。
結婚式場で働くバティアのもとに、裸で浮き輪を身につけしゃべらない小さな女の子が現われる。謎の女の子を引き取って世話するのだが、女の子は姿を消してしまう。
結婚式で足を折ってしまい、新婚旅行をキャンセルし、ホテルに留まらざるをえなくなったカップル。小さな息子を残しフィリピンからイスラエルに出稼ぎに来たヘルパーのジョイと、彼女に介護されるイスラエル人の老女。
なにかうまくいかずにいる女性たちを巡る物語でありながら、単純な人生讃歌だったり応援メッセージにはならない。謎の少女が現われて、いつしか3人の人生が交錯し・・・みたいなありがちなプロットに落とし込まない。
まるで上質な詩のような、見る側に解釈が開かれた作品。
エトガル・ケレットがちょこちょこ出てくるのもご愛嬌だが、重要なキャラクターである、バティアの思い出のなかのアイス売りのおじさんは、ケレットの父親である。